2歳王者決定戦の
朝日杯フューチュリティステークス(GI、芝1600メートル)の枠順が、19日に決まった。今年から阪神競馬場で開催される一戦に、サンケイスポーツ・加藤隆宏記者は(14)
クラリティスカイに◎。昨年までの中山なら不利な外めの枠だが、広くて直線の長い阪神なら問題なし。前走をレコード勝ちしているように、完成度が高くスピードは十分。2歳
チャンピオンに最も近い存在だ。
今年から小回りで内枠が有利だった中山から阪神に舞台を移した。GIにふさわしく、広くて直線の長いコースで開催されることになったが、朝日杯フューチュリティSの本質は変わらない。
同じコースで行われる2歳女王決定戦の
阪神ジュベナイルフィリーズは
ウオッカや
ブエナビスタなどの大物を送り出しているが、牡馬は事情が異なる。長めの距離を使ってきた素質馬は春に備えて休養中か、次週の
ホープフルS(28日、中山、GII、芝2000メートル)に向かう。
出走馬の傾向やレベルは例年と同じで、昨年までとの違いは枠順による有利不利がなくなったことぐらい。完成度が高く、スピードの裏付けがあるマイラーが優勢なのは以前と同様だろう。
◎は
クラリティスカイで決まりだ。いちょうSの勝ちっぷりが圧巻。前半の3ハロンが34秒4という、息の入らない速い流れを好位4番手から軽々と押し切った。しかも1分33秒5の2歳コースレコードのおまけつき。実戦経験を積むごとに体はパワーアップを遂げ、好位差しのレースができたように、センスの良さにも磨きがかかった。
進化の速度はライバルを上回り、すでに大人びたムードさえ感じる。「2歳馬らしからぬ落ち着きがあって、乗り手に従順。自信を持って乗れますね」と岩田騎手が言い切るのもうなずける。
いちょうS後は朝日杯に万全を期すため、放牧でリフレッシュ。帰厩後は調教駆けする年長馬と併せ馬を行い、質量とも豊富なトレーニングを消化した。最終追い切りを見届けた友道調教師は「動き、状態は申し分ない」と胸を張った。
枠順は〔7〕枠(14)番。昨年までなら不利な外枠だが、阪神では
ノープロブレムだ。走りがダイナミックなので、ここなら馬群に包まれてリズムを崩す心配もない。かえってこの枠はプラスに出そうだ。