第82回
日本ダービー(東京優駿)(31日、東京10R、GI、3歳オープン国際(指)、セン馬不可、定量、芝2400メートル、1着本賞金2億円 =出走18頭)1番人気
ドゥラメンテが、
皐月賞に続き2冠を制覇。タイム2分23秒2(良)はダービーレコードだった。鞍上のミルコ・デムーロ騎手は、3月にJRA所属となってから初めてのVで通算2勝目(2003年
ネオユニヴァース)。福永騎乗の2番人気
リアルスティールは4着だった。
2冠に導いた
ドゥラメンテの背中で、何度も何度もこぶしを突き上げた。2003年の
ネオユニヴァース以来2度目のダービー制覇。今年からJRA所属になったM・デムーロ騎手は、また違った勝利の味をかみしめた。
「すごい感動した。夢みたい。JRAの騎手としてダービーを勝てて、本当にうれしい。JRAの騎手になってよかったという実感があるね」
気難しい相棒を巧みに制御した。序盤は少し引っ掛かったが、息を合わせて走る気を損なわせずに我慢させる。4コーナーで外に膨らむも、すぐに立て直してスパート。
皐月賞のように他馬に迷惑をかけることなく、怪物の強さを見せつけた。
大一番が近付くにつれて眠れぬ日々が続いた。初めての距離やコーナー4つの競馬への不安、1番人気の重圧…。レース当週には「怖い…」と本音をもらした。28日は志願して美浦トレセンに向かい、最終追い切りの手綱を取った。それでも不安に押しつぶされそうだった翌29日、母・ラファエラさん(61)から電話があった。「(弟の)クリスチャンが(17日に)イタリアのダービーを勝ったから、あなたもできるわよ」。力強い言葉で吹っ切れた。
「きょうは朝から何も食べられなかったけど、これから朝まで飲むよ。僕はお酒、弱いけどね」
最終レース後のイベントでは、いつもの陽気なミルコだった。四方のファンに丁寧に頭を下げると、仲間が待つ祝席へと駆けだした。 (川端亮平)
★31日東京10R「
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◆プレゼンターの瑛太 「想像を上回る迫力で感動しました」
◆プレゼンターの有村架純 「競馬は賭け事だけでなくロマンがあると感じ、本当に感激しました」
アラカルト ★ミルコ・デムーロ騎手 ダービーは3度目の挑戦で2003年
ネオユニヴァースに次ぐ2勝目。歴代1位は
武豊騎手の5勝。2勝は
橋本輝雄、岩下密政、蛯名武五郎、
保田隆芳、
栗田勝、
大崎昭一、
増沢末夫、
小島太、
郷原洋行、
小島貞博(以上引退)、
四位洋文、
横山典弘と並ぶ2位。JRA・GIは12勝目。 ★
堀宣行調教師 ダービー初勝利。3着
サトノクラウンを含め4頭出走させている。JRA・GIは7勝目。 ★関東馬のV 09年
ロジユニヴァース以来6年ぶり。通算は関東馬44勝、関西馬38勝。 ★1番人気のV 一昨年の
キズナ以来で34度目。ダービーはグレード制導入の84年以降、GIの中で最も1番人気が勝っており(18勝、勝率.563)、連対率も.719と高い。今年のGIでの1番人気の連敗は
中山GJも含め「8」でストップ。
ミルコ・デムーロ(Mirco・Demuro) 1979年1月11日生まれ、36歳。イタリア出身。94年に母国で騎手免許を取得。97~2000年に4年連続で同国リーディング。99年に短期免許を取得して初来日。以降も欧州を中心に騎乗しながら毎年日本で活躍し、15年度のJRA騎手免許試験にC・ルメール騎手とともに合格。通年免許取得は外国人として初めてで、今年3月1日にJRAに移籍。31日現在、JRA通算379勝。重賞35勝(うちGI12勝)。