ホープフルSの「俺のチェックポイント」3日目は、東京サンスポの板津雄志記者が
マスカレードボールに注目した。まだ粗削りな部分が目立つが、能力は確か。最終追い切りでスムーズに動けたかどうかをチェックし、主戦の戸崎騎手も直撃した。
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追い日のターゲットは
マスカレードボールだ。中間は馬場入りを少しごねる、集中力を欠く、手前の替え方がぎこちないなど、調教で課題が出てきた。しかし、週を追うごとに動きには磨きがかかってきている。さて、最終追い切りはどうか。
この日は調教スタンド前からスムーズに美浦Wコースへ飛び出し、まずはひと安心。ペースはそれほど速くなかったが、3頭縦列の2頭目をリズム良く走って直線へ。楽な手応えのまま内
オーキッドロマンス(OP)と併入し、外
スピリットガイド(2勝)には2馬身先着した。7ハロン101秒7の全体時計、ラスト1ハロン11秒7も悪くない。手塚調教師は納得の表情で合格点を与えた。
「良かったですよ。先々週、先週、今週とだんだん良くなっている。1回逆手前になるところもあったけど、すぐに修正できたし、直線もちゃんとした手応えで走れていた。1頭になるとフワッとする面も、
オーキッドロマンスにつつかせる形を作って最後まで集中力を切らさず走れていた」
この雰囲気なら、本番でも楽しみが持てるというものだ。新潟マイルの新馬戦は遊び遊び走って快勝。2着馬はその後、
サウジアラビアRC3着、
京王杯2歳S2着の
マイネルチケットなのだから、いかに素質が高いかが分かる。前走アイビーSのVタイム1分45秒8(良)も東京スポーツ杯2歳Sより1秒速く、それでいてレースのラスト2ハロンは11秒3─11秒2の加速ラップ。底知れない魅力にあふれる。
主戦の戸崎騎手は先週の追い切りに騎乗し、「つかみどころがなくて難しい。いろいろ探って走っている感じ。余裕があるからできることなのかもしれないけど」と不安要素を口にしつつ、「その中でポテンシャルは高い。乗り心地はすごくいいし、重心が良くなって力もつけている。中山芝2000メートルはやってみないと分からないけど、気分を害さないように走れれば」と語った。
期待と不安が入り混じる状況。それでも
有馬記念で
レガレイラを64年ぶりの3歳牝馬Vに導いた鞍上なら何とかしてくれそうな気がしてきた。(板津雄志)