朝日杯FSの「俺のチェックポイント」2日目は東京サンスポの吉田桜至郎記者が、2戦2勝の
ニタモノドウシを取り上げる。1200メートルでデビュー勝ち、1500メートルでレコードV。初の1600メートルはどうなのか。陣営の感触を探った。
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過去10年では、
サウジアラビアRCの連対馬が【3・2・1・3】と強い。ただ、先週の
阪神JFでも相関性の強い
アルテミスS連対馬が大敗。これには京都開催の影響があるように感じており、当レースも例年のトレンドでは一筋縄にいかない気がしている。
そこで注目したのが、クローバー賞でV2を飾った
ニタモノドウシだ。デビュー前の取材で菅原明騎手が「今年乗った2歳馬で一番いい背中をしている」と絶賛していた好素材で、ここまでの活躍は納得といったところ。あとは初のマイル戦に対応できれば、重賞ウイナーを倒してのGⅠ取りもありそうだ。
「新馬の時点で距離は延びた方がいいと思ったが、適性はマイルまでかな。ただ、我慢も利くし操縦性はいいので」と高木調教師はやや慎重な口ぶりだったが、克服できるイメージが湧いてきた。前走のクローバー賞では、初戦で遅れたスタートをしっかり決めて好位を追走。指揮官が「優秀な競馬だった」と振り返るように、直線で外へ持ち出すと、豪快に突き抜けた。流す余裕もあり、先々につながる走りだった。
レース後は10月末と早めに帰厩し、じっくり乗り込みを重ねた。1週前の4日には美浦Wコースを一杯に追われて5ハロン67秒1―11秒6をマーク。調教駆けする年長馬に半馬身遅れたが、高木調教師は「予定通りで及第点の動きだった」と合格点を与え、仕上がりに不安もなさそうだ。
『
ニタモノドウシ』というユニークな馬名は、オーナーの嶋田賢氏がかつて所有していた2016年の
皐月賞馬で父の
ディーマジェスティ(ほか重賞2勝)に、牧場にいた頃の体つきが似ていたことに由来する。千葉県銚子市の総合病院で理事長を務める嶋田氏は、御年87歳でレース当日は京都競馬場に来場予定というだけに期待は大きいはずだ。最終追い切りの動きや枠順次第では、重めの印も考えたい。(吉田桜至郎)