阪神では土曜に3歳馬の重賞・
毎日杯(25日、GIII、芝1800メートル)が組まれている。クラシックの本流とはいえないような位置付け(施行時期)に思えるが、実際には1着馬のうち、2008年の
ディープスカイが
NHKマイルCとダービーを勝ち、13年の
キズナもダービーを制覇。10年の
ダノンシャンティが
NHKマイルCを制するなど、すっかり出世レースとして定着した。直線の長い外回りで施行されるだけに、
皐月賞への最終切符というよりも、広い東京のGIに向けた試走の場となりつつある印象だ。今年も素質豊かな若駒がそろって、目が離せない。
新馬戦-シクラメン賞を連勝し、
きさらぎ賞では2着に敗れた
サトノアーサー(栗東・
池江泰寿厩舎、牡)。前走は重馬場で持ち味が生きなかった面もあり、力負けとは考えられない。シクラメン賞は今回と同じ条件で、上がり3ハロン32秒7という桁違いの決め手を披露。今後のローテーションは明らかにされていないが、GI戦線に乗り込むためにも賞金の上積みは不可欠だ。中間も順調に乗り込まれており、力を出せる態勢は整っている。
サトノアーサーの僚馬
アルアイン(牡)も、
シンザン記念は勝負どころで不利を受けて6着に敗れたが、巻き返しは必至。こちらは3戦全てマイルを使われてきたため、1ハロンの距離延長が鍵となるが、レースぶりからも大きなマイナスになるとは思えない。強敵が身内にいるが、新コンビ・
松山弘平騎手の手綱さばきに注目が集まる。
前記2頭と同様、ノーザンファーム生産の
ディープインパクト産駒として期待されるのが
クリアザトラック(栗東・
角居勝彦厩舎、牡)だろう。全兄カミノタサハラは弥生賞勝ち馬で、他にもボレアス、
マウントシャスタ、
ベルキャニオンと全兄は軒並みオープンで結果を出してきた。前走(500万下)はハナ差の辛勝だったが、馬体に成長のあとがうかがえ、決め手も磨きがかかってきた印象。折り合いがつけば、ここでも面白い存在となる。
未勝利戦を勝って以来、3カ月ぶりの
京成杯で2着と好走したのが
ガンサリュート(栗東・
安田隆行厩舎、牡)。輸送や距離延長を克服し、価値ある賞金上積みを果たした。阪神の1800メートル戦は未勝利で2戦してともに2着だったが、勝ち馬が
リスグラシューと
カデナなら、悲観する必要は全くない。父
ダノンシャンティに続く父子制覇が期待される。
セントポーリア賞5着、すみれS3着と足踏みしている
キセキ(栗東・
角居勝彦厩舎、牡)は、祖母が
桜花賞2着馬ロンドンブリッジという血統馬。まだ幼い面を残しているが、この阪神1800メートルで鮮やかな新馬勝ちを演じた実績があり、距離短縮で違う結果が望める。
東スポ杯2歳S5着、朝日杯フューチュリティS5着、
シンザン記念4着と中央入り後はもうひとつの結果が続く
トラスト(栗東・
中村均厩舎、牡)は、この中間もハードな調整ぶり。状態には全く不安がなく、あとはレースでスムーズに力を発揮できるかどうかにかかっている。
スクリーンヒーロー産駒は一昨年に
ミュゼエイリアンがこのレースを勝っており、適性はありそうだ。
他では、堅実な走りを続ける
プラチナムバレット(栗東・
河内洋厩舎、牡)や追い込みに徹して成績が安定してきた
デュパルクカズマ(栗東・
西浦勝一厩舎、牡)にも注意を払いたい。
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