今年最後のJRA・GⅠ
ホープフルS(芝2000メートル)が28日、中山競馬場で行われる。来年のクラシックを占う大一番に、将来を嘱望される2歳馬たちが名を連ねた。
クロワデュノール(栗東・
斉藤崇史厩舎、牡)がデビュー3連勝でのGⅠ戴冠を狙う。初戦は東京芝1800メートルの新馬戦で歴代最速となる勝ち時計1分46秒7(良)で完勝。一躍、注目を集めると、続く東京スポーツ杯2歳Sでは状態が今ひとつだった中でもきっちりと勝ち切った。前走でプラス24キロの504キロと大幅に馬体を増やしたのは成長の証し。先行力に優れており、どんなレースの流れにも対応できるセンスの高さが魅力だ。崩れるシーンは考えにくい。
マスカレードボール(美浦・
手塚貴久厩舎、牡)は、昨年の
秋華賞2着馬
マスクトディーヴァの半弟。新潟芝1600メートルの新馬戦を直線で外にモタれる面を見せながら勝つと、2戦目のアイビーSでは3番手追走から内を突いて鋭い末脚で差し切った。後方に置かれた初戦に比べて、位置取りに進境が見られたのは大きな収穫。素質は高く、こちらもV争いが期待できる。
マジックサンズ(栗東・
須貝尚介厩舎、牡)も、前述2頭と同じデビュー2連勝組。前走・
札幌2歳Sは3コーナーから大外を回って進出する豪快な競馬で他馬をねじ伏せた。2着
アルマヴェローチェは8日の
阪神ジュベナイルフィリーズを制しており、こちらも好勝負必至だ。
3冠牝馬
アパパネの子・
アマキヒ(美浦・
国枝栄厩舎、牡)が、1戦1勝ながらエントリー。東京芝2000メートルの初戦は好スタートから先手を主張し、直線で2着馬に一旦、前に出られたところを差し返した。勝負根性の強さは特筆もので、侮れない存在だ。
ヤマニンブークリエ(栗東・
松永幹夫厩舎、牡)は、前走・黄菊賞で逃げて2着。勝ち馬
ミュージアムマイルは15日の朝日杯フューチュリティSで2着に好走しており、こちらもマイペースで運べれば粘り込むシーンはある。
京都2歳S2、3着の
ジョバンニ(栗東・
杉山晴紀厩舎、牡)、
クラウディアイ(栗東・
橋口慎介厩舎、牡)も十分好勝負が見込める。
同舞台の芙蓉Sを制した
ジェットマグナム(栗東・
安達昭夫厩舎、牡)、アイビーS2着の
ピコチャンブラック(美浦・
上原佑紀厩舎、牡)、
エフフォーリア、
アーバンシックなどが勝っている出世レース・百日草特別を制した
ショウナンマクベス(美浦・
武市康男厩舎、牡)などのレースぶりも興味深い。