
日本ダービーの大本命馬
ソールオリエンスにクローズアップした短期集中連載『
ソールオリエンスに迫る』。最終回は装蹄師の小島勇輝氏(40)を直撃。
皐月賞馬を文字通り〝脚元〟から支える仕事人は、2つの成長ポイントを指摘した。
競走馬の蹄鉄は、人間の陸上選手ならシューズに相当する最重要パーツだ。
ソールオリエンスの装蹄を手がけるのは、昨年7月に師匠の跡を継いで開業した小島装蹄師。最初の
日本ダービーでいきなり担当馬が大本命となり、「なかなか巡り合えないですから。楽しみです」と声を弾ませる。
初対面の印象は「脚元が曲がっていないし、馬格もある。パッとみていい馬だなと思いました」。しかし、いざ蹄鉄を打とうとすると嫌がるそぶりを見せた。
「トモ(後肢)が甘かったから、脚を上げる姿勢がつらかったんだと思います。でも、今はすごく素直に打たせてくれるようになりました。(担当助手の)名畑君とも『トモがしっかりしてきたね』と話しています」
成長ぶりは蹄鉄そのものにもくっきりと表れている。昨年11月と
皐月賞時を比較すると、明らかに大きさが異なる。「普通の馬はちょっとずつ大きくなっていくんですけど、この馬はふた回りくらい大きくなりました」。この規格外の成長力も強さの源だろう。
24日の追い切り後に新たな蹄鉄へと履き替え、大一番への準備は整った。「(競馬に行けば)僕ができることは何もありませんから。とにかく落鉄しないように、けがしないように。何事もなく無事に帰ってきてくれるのが一番です」と小島氏は祈るように話した。
運命のゲートは、28日の午後3時40分に開く。騎手、牧場スタッフ、調教助手、装蹄師―。携わるすべての人々の思いを乗せ、無敗2冠へ駆けろ、
ソールオリエンス!