たった10センチの差が大きく明暗を分けた。無傷の4連勝で
皐月賞を勝ち、単勝1・7倍の断然人気に推された
エフフォーリアは無念のハナ差2着。無敗での2冠制覇は、あと一歩で夢と散った。
「人気に応えられなくて申し訳ありません。流れが遅かったぶん、少し掛かるところもあったが、しっかりと伸びてくれた。最後は切れ負けしてしまった」。JRA史上最年少でのダービージョッキーの座を逃した22歳の横山武騎手が、悔しさをにじませた。
好位の内から正攻法で運び、直線は馬場のいい外に出してスパート。力は出し尽くしたが、父の父
シンボリクリスエス(2002年)、父
エピファネイア(13年)を超えることはできず父子3代でのダービー2着。鞍上も同じ22歳時の1990年に
メジロライアンで2着だった父・典弘騎手を超えられなかった。
鹿戸調教師は「流れに乗って、最後もバテずにしっかりと走ってくれた。ジョッキーもうまく乗ってくれたが、これが競馬。でも、あの差(ハナ差)は悔しい」と声を振り絞るのが精いっぱい。今後は福島県のノーザンファーム天栄に移動して秋に備える予定。連勝は止まっても世代トップの実力は間違いなく、秋にはもう一段階進化した姿を期待したい。(片岡良典)
★30日東京11R「
日本ダービー」の着順&払戻金はこちら