シンザン記念の追い切りが9日、東西トレセンで行われた。栗東では
京王杯2歳S2着以来となる
マイネルチケットが、坂路で軽快なフットワークを披露。1週前には同じく坂路で自己ベストを更新していて、調教評価は最高の『S』となった。
朝日杯FS5着の
アルテヴェローチェは新コンビの川田騎手が騎乗して、CWコースで感触を確かめた。
ぶれのないフォームで真っすぐに駆け上がった。
マイネルチケットが栗東坂路で好仕上がりをアピール。見守った宮調教師は目を細めた。
「よかったよ。いい感じで、悪くない。間隔があいているから、これぐらいで十分。元気で走れると思うよ」
気温5度。底冷えする寒さの中でスタートした。終始、力みのないスムーズな走りでスイスイと加速。馬なりのまま4ハロン53秒4-12秒5でフィニッシュした。1週前の3日には同コースでビッシリと追われて4ハロン51秒8-11秒7の自己ベストをマークしており、調教評価は最高の『S』だ。
今回と同じ中京芝1600メートルでメンバー最速の上がり3ハロンを記録してデビュー勝ち。2戦目の
サウジアラビアRCでは今回も出走している
アルテヴェローチェから0秒2差の3着、前走の
京王杯2歳Sではクビ差の2着と2戦続けて重賞で好走した。その後は疲れが出たこともあり、間隔をあけ、仕切り直しの一戦となる。師は「前に行って踏ん張りがきいて、崩れない。能力は高い」と評価する。
厩舎ゆかりの血統だ。母
エントリーチケットも現役時代に宮厩舎に所属し、重賞勝ちこそならなかったが、JRAで6勝を挙げた。母子2代に渡って担当する渡井厩務員は「レースでまじめですし、母も早い時期から活躍した。何とか頑張ってほしい」と期待する。
厩舎にとっても2014年
高松宮記念(
コパノリチャード)以来となる重賞制覇がかかる。「毛づやもいいし、調子もいい。楽しみな一戦です」と師もヤル気十分。善戦マンは卒業。
日本ダービー馬
タニノギムレット(2002年)や3冠牝馬
ジェンティルドンナ(12年)、
アーモンドアイ(18年)を輩出した出世レースで重賞初勝利を成し遂げ、クラシック戦線へとはばたく。(北池良輔)