JRAの2024年を締めくくるGⅠ、
ホープフルSが28日に中山競馬場で行われる。注目は前走の東京スポーツ杯2歳Sで重賞初Vを飾った
クロワデュノール(牡)。無傷の3連勝でのGⅠ制覇へ、騎乗する
北村友一騎手(38)=栗・フリー=に手応えを聞いた。(聞き手・山口大輝)
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──前走の東京スポーツ杯2歳Sで2連勝
「思い描いていたレースプランで終えられ、期待以上の走りを見せてくれた馬がすごかった」
──夏に順調さを欠き、戦前から状態面の不安を陣営が伝えていた
「僕の中では、7割ぐらいの感じでした。その中でも動ける態勢に持っていってくださった斉藤(崇)先生の考えられた調教もすごかったと思いますし、負荷に耐えた馬もすごいと思います」
──デビュー前から評価は高かった
「先生から『いい馬ですよ』というのは聞いていました。牧場からも『来年、期待できる馬だよ』と聞いていたので、楽しみにしていました」
──新馬戦は期待通りに2馬身半差の快勝
「追い切りで顔色を変えずケロッとしているので、心肺機能が高い馬だと感じていました。調教よりも競馬にいってさらに良さが出た感じですね。時計(1分46秒7)は速かったですが、まだ余力があったという感覚です」
──前走の反動などは
「それが一番心配でしたが、いいバランスを維持して帰厩してくれているな、という感じでした。点数をつけるなら今のところは85点ぐらいですかね」
──もうひと追いでさらに良くなる
「そうですね。ただ、新馬戦とは求めているところが違うので。能力値を含めていえば、新馬戦よりもいいです。そこを含めれば120点ぐらいな気もします」
──自身は2021年の落馬負傷で1年以上の休養。22、23年は重賞未勝利も今年は6勝
「体は良くなってきています。心境は何も変わらず、まじめにこつこつとやってきていることが結果として出ているのかな、と思います」
──中山芝2000メートルの舞台
「大丈夫だと思います。馬自身のバランスであったり走り方が中山も苦にする感じではないです。僕がスムーズに誘導してあげられれば」
──斉藤崇厩舎×サンデーレーシングは
クロノジェネシスと同じ
「すごく光栄なことですが、まだここじゃない。来年に向けて、もっと大きな舞台で一緒にチャレンジしていきたい、という思いが強いです。ずっとこの馬に乗り続けたいので一戦、一戦を大事に競馬をしていきたい」
──意気込みを
「自分の中でも、ひと区切りとしてGⅠを勝たなければいけないと思います。来年につなげたいという思いが一番強いですね」
■北村 友一(きたむら・ゆういち) 1986(昭和61)年10月3日生まれ、38歳。滋賀県出身。2006年3月に栗東・田島良保厩舎からデビュー。08年
デイリー杯2歳S(
シェーンヴァルト)で重賞初制覇。19年
大阪杯(
アルアイン)でJRA・GⅠ初勝利。21年5月2日の阪神2Rで落馬負傷。椎体骨折、右肩甲骨骨折などで1年以上休養し、22年6月11日の中京4Rで復帰。23日現在、JRA通算1万681戦918勝(重賞はGⅠ5勝を含む33勝)。164・5センチ、51キロ。