サンスポ賞フローラSの追い切りが18日、美浦トレセンで行われた。前走の未勝利戦を好タイムで勝ち上がった
バロネッサがWコースで軽やかな伸び脚を披露し、サンスポ調教評価で最高の『S』を獲得。半兄にGⅠ馬を持つ良血の
ロードカナロア産駒が、
オークス行きのチケット取りを目指す。
きれいにストライドを伸ばし、軽やかに僚馬をかわしていった。
バロネッサが美浦Wコースで6ハロン82秒2─11秒1をマーク。3馬身ほど先行した
アイベラ(1勝)を目標に進み、直線で津村騎手が軽く仕掛けると、内からスッと反応して半馬身前に出てゴールした。
「いい動きでしまいの反応も良かった。口が敏感なところはあるけど、コントロールが難しい馬ではないです。体力がありそうだし、距離の心配もしていません」と鞍上は上々の感触をつかんだ様子。先週11日にも同コースを6ハロン80秒0―11秒2の好タイムで駆けており、調教評価は最高の『S』だ。
前走(東京芝1800メートル)の勝ちっぷりは光った。パドックでまたがろうとしたルメール騎手を落とす気性の幼さこそ見せたが、レースでは優等生の立ち回り。2番手から危なげなく抜け出し、2着に1馬身¾、3着にはさらに5馬身の差をつけた。ペースの違いこそあれ、Vタイム1分46秒2(良)はのちの
皐月賞馬
ジャスティンミラノが勝った同日の
共同通信杯より1秒8も速かった。
もともと陣営の期待が大きかった素質馬だ。山崎助手は「2歳の入厩時から立ち姿がきれいで、顔つきもいい。歩き、ダク、キャンターなども本当にきれいで、大きい舞台へ行くべき馬だと能力を感じていました」と語る。慎重な性格で、最初は外で人を乗せるのも大変なほど過敏な反応を示していたが、経験を重ねるごとに解消。同助手は「調教でも前を走る、後ろを走る、真ん中に入れるなど、昔できなかったことができるようになった。レースでもスタートなど、ひとつひとつ課題をクリアしてくれて、成長は著しいですよ」と手応えを明かす。
半兄が
ホープフルS勝ちの
ドゥラエレーデ(父
ドゥラメンテ)で、近親に
菊花賞と
有馬記念を勝った
サトノダイヤモンドがいる血統背景も魅力だ。イタリア語で「女の男爵」を意味する
バロネッサが、このオークストライアルから一気に華やかなステージに飛躍する。(板津雄志)