POGコラム

伊吹雅也のPOG分析室 (2014) ~第7回 各ワールド上位者レポート&注目馬の最新動向

 今週末で3回新潟と4回阪神が終了し、次週からはいよいよ4回東京と4回京都がスタート。以前よりも集中しなくなったとはいえ、来春のクラシック戦線を目指すような期待馬が続々とデビューする時期になりました。夏季競馬の閉幕から約一ヶ月。皆さんのPOG熱はやや落ち着いたところだと思いますが、一年間のトータルで考えるなら、むしろここから先が重要です。
 今回は現時点における各ワールドの戦況と、入札やドラフトで注目を集めた2歳馬の近況をまとめてみました。

 POGスペシャリストとウマニティPOG2013の成績上位ユーザーが参戦しているスペシャルワールドは、現在のところタイシダイオーさんがトップに立っています。9月6日の札幌2歳ステークス(2歳GⅢ・札幌芝1800m)をブライトエンブレムが勝つと、翌日9月7日にはすずらん賞(2歳オープン・札幌芝1200m)をペイシャオブローが勝利。札幌開催の最終週、しかも波乱の決着となったオープンクラスの2レースで一気に獲得ポイントを伸ばしました。なお、ブライトエンブレムは第1回入札で落札していますが、ペイシャオブローを落札したのは初勝利後の第11回入札。異なる戦略で指名した2頭がそれぞれ結果を出したのですからお見事です。
 スペシャルワールドは9月28日の芙蓉ステークス(2歳オープン・新潟芝1800m外回り)を制したジャストドゥイングなどを擁するスンイチローさん、9月27日のききょうステークス(2歳オープン・阪神芝1400m)でブリクストが2着に食い込んだサウスさんもごくわずかな差で続いています。60人ものプレイヤーが1頭オーナー制で争っているだけに、早い時期から突出したポイントを獲得するのは至難の業。今後も重賞やオープン特別のたびに順位が目まぐるしく入れ替わるでしょう。

 ミリオネアワールドで首位に立っているのは7月、8月、9月と3ヶ月連続で月間賞金王のタイトルを獲得した遊民さん。前出のブライトエンブレムに加え、7月19日の函館2歳ステークスを勝ったアクティブミノル、8月31日の新潟2歳ステークス(2歳GⅢ・新潟芝1600m外回り)を制したミュゼスルタンと、指名馬から既に3頭の重賞ウイナーが誕生しました。獲得賞金の1億4363万円は全ワールドを通じてトップの数字です。
 この他にも先週9月27日のききょうステークスを制したナヴィオン、各種メディアでデビュー前から大きく取り上げられていたポルトドートウィユらがいますから、現時点としては申し分のないラインナップ。今後もしばらくは王座に君臨し続けるのではないかと思います。

 リッチワールドはシスター闘将さんが2位以下に5000万円以上の差をつける断然のトップ。重賞ウイナーこそミュゼスルタンだけですが、指名した20頭のうち8頭が(落札後に)優勝を果たしているうえ、残る12頭のうち10頭も既にポイントを獲得しました。これだけ層が厚いと2歳のうちは相当に有利だと思いますし、既にデビューした馬の伸びしろ次第では年明け以降も有利にゲームを進められるでしょう。

 ブルジョワワールドはうまんですよさんが、アベレージワールドはコバノすとーんさんが首位。お二方とも、9月7日の小倉2歳ステークス(2歳GⅢ・小倉芝1200m)で2着となったレオパルディナが稼ぎ頭です。もっとも、夏場のレースに特化したラインナップというわけではなく、それぞれ“POG本”などで大きく取り上げられていた評判馬もしっかりと押さえている印象。どちらのワールドも混戦模様ですが、引き続き優勝争いを牽引していくことになるのではないかと思います。

 続いて、まだデビューしていない「注目POG馬ランキング」上位馬の近況をまとめてみました(順位は2014年09月29日20:00現在)。

 2位のタッチングスピーチ(リッスンの2012)は9月中旬に栗東トレーニングセンターへ入厩。まずはゲート試験合格を目指すことになると思いますが、順調なら近いうちに初陣を迎えられるのではないかと思います。残念ながら私は指名できませんでしたが、秋デビュー組の目玉とも言える存在だけに、今後が楽しみで仕方ありません。

 7位のクローディオシーザリオの2012)も既に入厩済み。こちらは9月中旬の段階でゲート試験にも合格しています。新種牡馬のハービンジャーは9月28日終了時点でJRA7勝。まずまずの滑り出しと言えそうですが、真価を問われるのはこれからの時期だと思いますし、世代屈指の良血馬でもあるこの馬はどんな走りを見せてくるでしょうか。

 8位のレーヴミストラル(レーヴドスカーの2012)はノーザンファーム早来で調整中。時間はかかっていますが、デビューに向けて着々と準備が進められているようです。やや遅めの5月生まれということもあり、焦らず気長にデビューを待つべきでしょう。

 9位のリアルスティール(ラヴズオンリーミーの2012)は9月末の段階でノーザンファーム天栄に移動。今後はノーザンファームしがらきで調整される予定とのことでした。こちらももう少し時間がかかりそうですけど、今のところ順調に進んでいる模様なので、心配する必要はないと思います。

 10位はドナブリーニの2012ですが、こちらはまだ馬名も登録されていません。個人馬主さんの所有馬でもあり、近況が詳しく報じられるのはデビューのメドが立ってからになりそう。焦らずその日を待ちましょう。

伊吹雅也さんのPOGマイページはこちら

(次回のコラム更新は12月3日(水)になります。)

■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
 埼玉県桶川市在住のフリーライター、コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)にも造詣が深く、現4歳世代のPOGでは、参加したすべてのドラフト(いずれも参加者20名以上)においてジェンティルドンナの単独1位指名に成功。現3歳世代も“赤本”こと『POGの達人』(光文社)誌上においてカミノタサハラコディーノフラムドグロワールらを推奨し、推奨馬の獲得賞金ランキング皐月賞終了時点)で1位を獲得した。近著に『本当に儲かる騎手データブック 馬券の勝ち組は騎手を野次らない(競馬王新書EX008)』(ガイドワークス)、『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。

執筆者:伊吹雅也 2014年10月1日(水) 21:06
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