POGコラム

伊吹雅也のPOG分析室 (2014) ~第5回 大駒を狙うなら今!ランキング上位馬を徹底考察~

 現2歳世代にとって最初のJRA重賞、7月19日の函館2歳ステークス(2歳GⅢ・函館芝1200m)を制したのはアクティブミノル(ピエナアマゾンの2012)でした。スペシャルクラスのスンイチローさんをはじめとする指名者の皆さん、重賞制覇一番乗りおめでとうございます!

 もっとも、今シーズンのウマニティPOGはまだ始まったばかり。今後も節目となるレースごとに戦況が変わってくると思いますし、新たな馬に入札する機会もたくさん残されていますから、ほぼすべてのプレイヤーに優勝の可能性が残っているはずです。

 今回は、これから開放される仮想オーナー募集枠を狙っているプレイヤーの皆さんに一定の指針を示すべく、未出走、かつ秋季競馬以降にデビューを予定している「注目POG馬ランキング」上位馬(8月4日0時現在)の近況をまとめてみました。夏の2歳戦線は既に大勢が決しているうえ、シーズンを通して見るとこの時期に動くポイントは全体のごく一部。日本ダービーまでに逆転できるよう、今のうちにクラシック向きの大駒を確保しておきましょう。

 注目POG馬ランキング2位のタッチングスピーチ(リッスンの2012)は秋口のデビューを目指しノーザンファーム早来で調整中とのこと。いわゆる“POG本”で高く評価されていたこともあり、早期デビューの見込みがなかったにもかかわらず、一般的なルールのドラフトでは激しい争奪戦が繰り広げられました。私自身、血統背景やプロフィールから“POG本”の出るだいぶ前にこの馬をリストアップしたのですが、実際に取材した方たちの評価が思いのほか高く、結局ほとんどの団体で指名できなかったんですよね。今のところ当初の予定通りに調整が進められているようですし、今後の入札で大枚を叩く価値は十二分にあると思います。

 6位のクローディオシーザリオの2012)は、母に2005年のオークス馬、半兄に菊花賞馬のエピファネイアを持つ超良血馬。こちらはノーザンファームしがらきで乗り込まれているとのことでした。この馬に関しては新種牡馬のハービンジャーをどう見るかもひとつのポイントでしたが、7月下旬に2頭の産駒が新馬勝ちを果たすなど、滑り出しはまずまず順調。未知数だったファクターのひとつが解明されつつあるわけで、これから入札するのに適した評判馬の一頭と言えそうです。

 7位のレーヴミストラル(レーヴドスカーの2012)は、タッチングスピーチと同じくノーザンファーム早来で調整中。初陣はそれほど早くないかもしれませんが、今のところこれといった不安はなさそうですし、順調と言っていいんじゃないかと思います。確固たる地位を築き上げたキングカメハメハの産駒とはいえ、今年はディープインパクトハーツクライの産駒にも注目が集まっている分、これくらいの良血馬でも昨年までよりは指名しやすそうな印象。積極的に狙うべき一頭として引き続きマークしておくべきでしょう。

 8位のリアルスティール(ラヴズオンリーミーの2012)は7月下旬に一頓挫あって調教を休んでいる模様。6月にもペースダウンした時期がありましたし、デビューの時期に影響があるかもしれません。ただ、全兄のラングレーは10月下旬にデビュー戦を制したうえ、初めて出走した500万下も快勝。格上挑戦で回り道をしたものの、条件クラスをあっさり突破するだけのポテンシャルはありました。「来春のクラシック戦線で活躍してくれればOK」と考えるなら、それほど心配する必要はなさそうです。

 9位はドナブリーニの2012。全姉にジェンティルドンナドナウブルーを持つ良血馬ですが、個人馬主さんが所有していることもあり、近況に関する情報がほとんど出回っていません。馬名すらもまだジャパン・スタッドブック・インターナショナルに登録されておらず、指名を躊躇っているが多いのではないかと思います。もっとも、何らかの情報が出てきたらこれまで以上に注目を集めるでしょうし、入札するなら今が狙い目なのかも。仮想オーナー募集枠の開放スケジュールとも相談しながら検討してみてください。

 10位のデビュタントは7月にデビュー予定だったものの(→関連記事)、一頓挫あってこれを回避。秋口のデビューを目指して再調整されているそうです。大事には至らなかったようですし、もともとクラシック戦線での活躍を期待していた方が多いでしょうから、この後が順調であれば大きな影響はないはず。引き続きマークしておくべき一頭だと思います。

 14位のパラダイスリッジ(クロウキャニオンの2012)も秋の入厩を目指して調整されている模様。4頭の全兄(ボレアスマウントシャスタカミノタサハラベルキャニオン)はいずれも2歳時の10月以降にデビューしていますから、指名したプレイヤーの皆さんも現在の状況は織り込み済みでしょう。マウントシャスタは3歳時の2月という遅いデビューでしたが、そこからトントン拍子に出世し、デビュー4戦目のNHKマイルカップでは単勝2番人気の支持を集めました。この馬も初陣が楽しみですね。

 16位のドゥラメンテアドマイヤグルーヴの2012)は6月下旬に一旦入厩し、ゲート試験に合格。再び放牧へ出て秋のデビューに備えています。母の初陣は2歳時の11月でしたが、無傷の3連勝でクラシックに参戦。同じような軌跡を描けるでしょうか。

 23位のラヴィダフェリースアドマイヤハッピーの2012)も7月に札幌競馬場へ入厩してゲート試験をパス。現在はノーザンファーム空港牧場に放牧されています。兄姉の初陣は総じて遅く、この馬も万全の態勢でデビューできるようじっくり調整していくことになりそうです。

 25位のサトノシュプリーム(スカイディーバの2012)は母がフリゼットステークス(米GⅠ)を制している良血馬。当歳時のセレクトセールで2億6250万円の値が付きました。個人馬主さんが所有していることもあって近況の情報は少ないものの、ポテンシャルの高さはかなりのレベルにありそうで、個人的にも注目しています。

 28位のグリュイエール(ウィンターコスモスの2012)は一般的なPOGドラフトが行われる直前の時期に評価が高まった印象。父ディープインパクト、母の父キングカメハメハという血統の馬はこれまでにJRAで4頭がデビューしており、うち3頭が勝ち上がりを果たしました。デニムアンドルビーヤマノフェアリーは3歳クラシック戦線でも注目を集めましたし、将来的に大流行してもおかしくない配合構成。さまざまな意味で興味を惹かれる一頭です。

伊吹雅也さんのPOGマイページはこちら

(次回のコラム更新は9月3日(水)になります。)

■執筆者プロフィール
伊吹 雅也(いぶき・まさや)
 埼玉県桶川市在住のフリーライター、コピーライター、競馬評論家。的確でわかりやすいデータ分析に定評があり、現在は『JRAホームページ』内「今週の注目レース」で“データ分析”のコーナーを担当しているほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている。競走馬への一口出資やペーパーオーナーゲーム(POG)にも造詣が深く、現4歳世代のPOGでは、参加したすべてのドラフト(いずれも参加者20名以上)においてジェンティルドンナの単独1位指名に成功。現3歳世代も“赤本”こと『POGの達人』(光文社)誌上においてカミノタサハラコディーノフラムドグロワールらを推奨し、推奨馬の獲得賞金ランキング皐月賞終了時点)で1位を獲得した。近著に『本当に儲かる騎手データブック 馬券の勝ち組は騎手を野次らない(競馬王新書EX008)』(ガイドワークス)、『門外不出! 投票データから分かった! WIN5の鋭い買い方』(東邦出版)、『WIN5(五重勝)ほど儲かる馬券はない!! 少点数で驚愕配当をモノにする絶対的セオリー(競馬王新書)』(白夜書房)。

執筆者:伊吹雅也 2014年8月6日(水) 12:00
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