津村明秀(39)=美・フリー=騎乗で11番人気の
ニシノエージェントが直線で強襲して重賞初勝利。開業2年目の
千葉直人調教師(38)も重賞初制覇となった。2着に7番人気の
ドラゴンブースト、3着に9番人気の
ミニトランザットが入り、3連単は172万7970円の大波乱となった。1番人気の
キングノジョーは4コーナー手前で先頭に立ったが、ゴール前で失速して4着に敗れた。
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レース史上最大の波乱を演出だ。後方から抜群の手応えで進出した11番人気の
ニシノエージェントが直線でも力強く伸び初重賞をゲット。単勝4940円、3連単172万7970円をはじめ6券種で当レースにおける最高配当を更新した。
「何もかも全てがうまくいった。期待を持てる状態だったし、スタートして結構(先行馬が)横並びになっていて〝これは速くなりそうだな〟と後ろで冷静に見られた。それに馬も応えてリズムよく走ってくれた」
津村騎手が興奮気味に息を弾ませた。前半5ハロン58秒3のハイペースで流れる中、後方で勝機をうかがった。ゴチャついた3、4コーナーでは馬群の1頭分の隙間をさばいて進出。引き揚げてきた際に「いやぁ、うまかった」と自画自賛するほど会心の騎乗だった。
管理する千葉調教師は騎手、調教助手を経験してトレーナーに転身。開業2年目での重賞初制覇に「西山オーナーの馬で勝ててうれしい。日頃からお世話になっていますし、厩舎の初勝利を含め昨年も多くの勝ち星を挙げさせていただきましたから」と感謝。「津村騎手も(調教助手時代に)鈴木伸厩舎でお世話になった先輩。大きな舞台で一緒に表彰台に立てて最高です」と人の縁でつながった勝利を喜んだ。
Vタイム1分59秒9もレース史上2位と優秀で今後へ期待は膨らむばかり。「春に大きな舞台も待っているので順調にいければ。この1勝でさらに期待は膨らみました」と津村騎手。伏兵から主役へ。クラシック戦線が面白くなってきた。(板津雄志)
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ニシノエージェント 父
イスラボニータ、母ビクトリアスマイル、母の父ノヴェリスト。黒鹿毛の牡3歳。美浦・
千葉直人厩舎所属。北海道新冠町・カミイスタットの生産馬。馬主は西山茂行氏。戦績5戦2勝。獲得賞金5212万7000円。重賞は初勝利。
京成杯は
津村明秀騎手、
千葉直人調教師ともに初勝利。馬名は「冠名+秘密業務で働く者」。
★アラカルト
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千葉直人調教師 JRA重賞レースは、延べ4頭の出走で初勝利。これまでの最高着順は2024年
札幌2歳S(
モンドデラモーレ)の4着。
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津村明秀騎手 本レースは、8回目の騎乗で初勝利。これまでの最高着順は12年(マイネルロブスト)の2着。JRA重賞レースは24年
ヴィクトリアマイル(
テンハッピーローズ)以来の勝利。通算19勝目。4年連続のJRA重賞勝利。
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イスラボニータ産駒 産駒延べ2頭の出走で初勝利。JRA重賞は6勝目。
◆払戻金 単勝(従来2190円)、馬連(同1万9570円)、ワイド(同6290円)、馬単(同2万3840円)、3連複(同5万6610円)、3連単(同32万3010円)で本レースの最高払戻金金額を更新。