サウジアラビアRCの追い切りが2日、東西トレセンで行われた。美浦では
アルレッキーノがWコースで抜群の伸び脚を披露して調教評価『S』。兄姉、母が重賞ウイナーという良血が、前走7馬身差Vの勢いそのままに重賞制覇へと突き進む。
◇
研ぎ澄まされた馬体を輝かせ、2歳とは思えない貫禄たっぷりのフットワークで駆け抜けた。素質馬
アルレッキーノが、美浦Wコースで抜群の動きを披露。見守った鈴木助手がうなずいた。
「やっぱり少しテンションが高いところはあるけれど、手の内に入るくらいの感じだった。先週併せ馬でしっかりやっているので、ちょうどいいかなという感じです」
単走で序盤は乗り手と息を合わせつつ進み、余裕たっぷりの手応えで直線に向くと滑らかに加速。馬なりで6ハロン81秒8―11秒1の好時計をたたき出した。1週前の9月26日には同コースで5ハロン65秒5―11秒3をマークし、年長馬2頭に先着。万全の仕上がりで、調教評価は文句なしの『S』だ。
半姉
チェルヴィニア(父ハービンジャー)は今年の
オークス馬で、母
チェッキーノ(サンスポ賞フローラS)、半兄
ノッキングポイント(父
モーリス、
新潟記念)も重賞ウイナーという超良血。6月のデビュー戦では断然の1番人気に支持されたが2着に敗れた。「早めに勝ち馬に寄られてしまったので…。状態面もまだまだでした」と同助手は振り返る。
もともと前進気勢が強く、初戦では折り合いに課題もみられた。その内容を踏まえて、2戦目は距離をマイルに短縮。それが功を奏し、7馬身差で逃げ切った。「スピードが強みなので、姉とは違って現時点ではマイルがベストだと思う」と分析する。
過去9回の勝ち馬中4頭がのちにGⅠ馬となっている出世レース。鈴木助手は「今回も前半の折り合いが鍵になると思う。距離は1回経験しているし、その辺をクリアできれば。スピードがあるので開幕週の馬場も合うし、能力はあるので」と前向きに語った。飛躍を期す若駒がそろった登竜門で、スケールの大きさを見せつける。(吉田桜至郎)