日本ダービー出走馬を記者それぞれの視点で直撃取材する『俺のチェックポイント』。最終日は東京サンスポの板津雄志記者が、
皐月賞4着馬
アーバンシックに注目した。前走後はかなりの疲れが出たようだが、この1カ月半で上昇曲線は描けているのか。また、
ハーツコンチェルトで3着だった昨年と比べての手応えを、武井調教師に聞いた。
私としては、
皐月賞で本命にした
アーバンシックに注目しないわけにはいかない。不器用で中山が合わないのは承知のうえだったが、後方から外を回って4着まで浮上。ダービーに向けて期待が膨らむ結果だった。ただ、「力を出し切ってレース後は初めて疲れた」と武井調教師が話していたのも事実。最終追い切りを終え、どの程度まで回復しているのか、指揮官を直撃した。
「めちゃくちゃ順調。前走後は相当疲れていて、牧場でも回復がメインだったけど、それを乗り越えてくれた。この2週はいい動き。先週は前の馬を抜くときの迫力、今週なら直線の力強さ。特に今週はすごかった。『超回復』という学術用語がちゃんとあるのだけど、まさにそんな感じ。上昇度は想像以上」
超回復とは強い負荷をかけられたあと、休息によって回復することで、負荷をかけられる前よりもパワーアップすること。つまり、
アーバンシックは前走時よりさらに進化したと考えていい。それに加えて、「いい勝ち方をしているし、舞台替わりは間違いなくいい」と東京コースは望むところ。プラス材料ばかりが並ぶ。
武井厩舎といえば昨年、
青葉賞2着から挑んだ
ハーツコンチェルトが3着に好走した。「あのときは
皐月賞組のレベルがあまり高くないと感じていたし、
青葉賞組でもチャンスがあると思っていた」と振り返り、今年については「
皐月賞組がちゃんとレベルが高いと思う」と断言。「その中でしっかり状態を上げられてきているし、昨年は『いいレースをしてくれないかな』だったのが、今年は『いいレースができる』手応え」と自信をみなぎらせる。
23日午後に決まった❹枠⑧番にも「どこでも問題ないと思っていたけど、勝負服と同じ(青)色で見た目が映えていいですね」と余裕の回答。取材の感触から当然、重い印が必要だ。(板津雄志)