5月5日に3歳マイル王決定戦の
NHKマイルカップが東京競馬場で行われる。GⅠ馬2頭が出走する中、3月に開業し、先週は3勝を挙げて好調の
福永祐一調教師(47)=栗東=が
チャンネルトンネル(牡3歳)でGⅠ初参戦。開業から61日目でGⅠ制覇なら、69日目の
森秀行調教師を抜いて史上最速となる。レースを前に現在の心境を聞いた。(取材構成・斉藤弘樹)
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――3月6日の開業から約2カ月、
チャンネルトンネルでGⅠ挑戦
「そういう能力のある馬を預けてもらっているということだと思います。自分が一からつくり上げた馬ではないですし、恵まれているなと思います」
――優先出走権を得た前走の
アーリントンC(3着)を振り返って
「パドックでのイレ込みが予想よりも少しきつかったですね。次への課題として残りましたが、それ以外はおおむねいい内容でしたし、馬も頑張っていました」
――前走は美浦・
堀内岳志厩舎からの転厩初戦。入厩時の印象は
「筋肉の質は良かったので、素質は感じていました。もう実際に(競馬で)走っていましたしね」
――現状で感じる良さは
「能力は高いものがあるので、しっかりと発揮できるようにもっていきたいです。幼い面はあるので、そこは徐々に成長していってくれれば」
――28日は自身が騎乗して、栗東CWコースで5ハロン68秒8-11秒7
「良かったです。いい動きでしたし、変わらず来ています。(左回りも)問題ないです。ずっと使ってきている馬で体もできています」
――関東への輸送などを含めてポイントは
「パドックでのイレ込みかなと思います。前回はイレ込みがきつかったので、修正できるようにしていきたいです。今回は少し体は絞れていると思いますが、今が一番いい体かなと思います。輸送で減る感じではないのでこのままいければ」
――具体的な対策は
「馬装具だったり、装鞍の仕方を変えたりなどを考えています。対策はしていきますが、それがどれくらい効果があるのかはやってみないと分かりません」
――開業から厩舎としてもいいレースが続いている
「経験豊富なスタッフが多いので、大いにサポートしてくれています。順調に滞りなく業務を遂行できているなとは思います」
――オーナー(窪田芳郎氏)の重賞初勝利(2007年
シリウスSの
ドラゴンファイヤー)に騎乗するなど、長い間お世話になっている
「親交の深い方なので、そういった方の所有馬でGⅠにチャレンジできるのもうれしいです。喜んでいただいています」
――最後に意気込みを
「メンバーがそろいましたし、相手が一気に強くなるので、いい走りをしてくれればいいなと思います。万全の態勢で出走させられるか、というところなのでしっかりとケアして出走させたいと思っています」
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福永祐一(ふくなが・ゆういち) 1976(昭和51)年12月9日生まれ、47歳。滋賀県出身。96年3月に栗東・北橋修二厩舎からデビュー。同年は53勝で最多勝利新人騎手。2005年に初のJRA年間100勝(109勝)を達成し、自己最多の重賞16勝。11年はJRA最多勝で最高勝率。13年は同最多勝と最多獲得賞金。調教師試験に合格した22年は歴代最長を更新する13年連続の年間100勝を達成。JRA通算2636勝は歴代4位。重賞は
コントレイルでのクラシック3冠(20年)などGⅠ34勝を含む160勝。父・洋一氏は元騎手。今年3月に厩舎を開業。29日現在、JRA通算25戦5勝。