★5年ぶり2回目のGⅠ馬対決
ジャンタルマンタルVSアスコリピチェーノ
今年のNHKマイルCには、昨年の
朝日杯FSを勝ち、JRA賞最優秀2歳牡馬を受賞したジャンタルマンタル(牡、栗東・
高野友和厩舎)、昨年の
阪神JFを勝ち、JRA賞最優秀2歳牝馬を受賞した
アスコリピチェーノ(牝、美浦・
黒岩陽一厩舎)が登録している。NHKマイルCに2頭のGⅠ馬が出走したのは、
朝日杯FSの勝ち馬
アドマイヤマーズ(1着)、
桜花賞馬
グランアレグリア(5着)が出走した2019年だけで、今回は5年ぶり2回目のGI馬対決となるが、先着するのはどちらだろうか。
ジャンタルマンタルは
朝日杯FSを勝った後は
共同通信杯2着、
皐月賞3着という成績で、
アスコリピチェーノは今年初戦の
桜花賞で2着となっている。過去10年のNHKマイルC勝ち馬を見ると、半数の5頭は3歳となってから未勝利で、NHKマイルCが年明け初勝利であったが、ジャンタルマンタル、
アスコリピチェーノは今年初勝利を挙げることができるだろうか。なお、過去10年のNHKマイルC勝ち馬の前走を見ると、
皐月賞組、
桜花賞組はどちらも2勝を挙げている。
★芝1600メートル戦で重賞2勝をマーク GⅠ2勝目を狙うジャンタルマンタル
ジャンタルマンタル(牡、栗東・
高野友和厩舎)は通算5戦3勝という成績だが、芝1600メートル戦に限れば2戦2勝で、
デイリー杯2歳Sと
朝日杯FSを制している。
ジャンタルマンタルは前走の
皐月賞では3着だったが、好成績を残している芝1600メートル戦で2つ目のGⅠタイトルを獲得することができるだろうか。同馬には
川田将雅騎手が騎乗する予定だ。
★最多勝の
ダイワメジャー産駒
アスコリピチェーノと
ニュージーランドT1・2着馬が登録
種牡馬
ダイワメジャーは、2012年
カレンブラックヒル、2016年
メジャーエンブレム、2019年
アドマイヤマーズで産駒がNHKマイルC3勝を挙げており、同レースにおける最多勝種牡馬となっている。今年のNHKマイルCには、
阪神JF勝ち馬の
アスコリピチェーノ(牝、美浦・
黒岩陽一厩舎)、
ニュージーランドT勝ち馬の
エコロブルーム(牡、美浦・
加藤征弘厩舎)、同2着の
ボンドガール(牝、美浦・
手塚貴久厩舎)と3頭のダイワメメジャー産駒が登録しているが、最多勝記録を更新するNHKマイルC4勝目を挙げることができるだろうか。なお、
ダイワメジャー産駒はこれまでにGⅠで10勝を挙げているが、10勝中9勝を芝1600メートルのGⅠで挙げている。
★過去10年で2勝、2着2回の
桜花賞組 今年は
桜花賞2、11、14着馬が出走予定
今年のNHKマイルCには、
桜花賞2着の
アスコリピチェーノ(牝、美浦・
黒岩陽一厩舎)、同11着の
イフェイオン(牝、栗東・
杉山佳明厩舎)、同14着の
マスクオールウィン(牝、美浦・
牧光二厩舎)が登録している。
桜花賞組は、過去10年のNHKマイルCで2勝、2着2回という成績を挙げているが、今年出走予定の3頭は好走することができるだろうか。なお、牝馬がNHKマイルCを勝てば、2017年
アエロリット以来7年ぶり6頭目となる。
テン乗りとなる
マスクオールウィンとのコンビで参戦予定の
岩田康誠騎手は、現在JRAで実施されている3歳GⅠレース中6レースを制しており、NHKマイルCを勝てば
武豊騎手、
福永祐一元騎手、C・ルメール騎手、
川田将雅騎手に続く5人目の3歳GⅠ完全制覇となる。
岩田康誠騎手はNHKマイルCに11回騎乗して2018年の3着が最高成績となっているが、12回目の挑戦で同レース初勝利を挙げることができるだろうか。
★登録馬中、唯一の外国産馬
シンザン記念を制したノーブルロジャー
NHKマイルCは、創設当初〝マル外〟の祭典と称されるほど外国産馬の活躍が目立ち、創設年の1996年に1~8着を独占したことをはじめ、2001年までのすべての年で1、2着を独占した。しかし、2002年以降は内国産馬の優勝が続き、近年は外国産馬の出走自体も減少しているが、2021年には独国産馬の
シュネルマイスターが勝ち、20年ぶりに外国産の3歳マイル王が誕生している。今年の
NHKマイルC登録馬を見ると、Palace Malice産駒の米国産馬で、
シンザン記念を制した
ノーブルロジャー(牡、栗東・
吉岡辰弥厩舎)が唯一の外国産馬となっているが、同馬は外国産馬の3歳マイル王になれるだろうか。
なお、Palace Maliceは、昨年の
朝日杯FS勝ち馬で、
NHKマイルCに登録している持込馬
ジャンタルマンタル(牡、栗東・
高野友和厩舎)の父でもあり、今年から日本で種牡馬として供用されている。
★芝1600メートル戦を連勝して参戦
アーリントンCの覇者ディスペランツァ
ディスペランツァ(牡、栗東・
吉岡辰弥厩舎)は、昨年8月の新馬戦(小倉)5着以来、芝2000メートル戦に出走を続けて2歳時に4戦1勝という成績を挙げ、3歳となった今年は芝1600メートル戦の1勝クラス、
アーリントンCを連勝して
NHKマイルCに駒を進めてきた。芝2000メートル戦でデビューした馬が
NHKマイルCを勝てば、創設以来初めてのこととなるが、ディスペランツァは芝1600メートル戦3連勝で3歳マイル王の座に就くことができるだろうか。なお、小倉デビュー馬が
NHKマイルCを勝てば、1997年の
シーキングザパール以来27年ぶり2頭目となる。
ディスペランツァは父
ルーラーシップ、母ルパンⅡという血統で、谷川牧揚の生産馬。同牧場の生産馬がJRA・GⅠを勝てば、2009年
フェブラリーSの
サクセスブロッケン以来15年ぶりとなるが、
ディスペランツァは谷川牧場に久々のビッグタイトルをもたらすことができるだろうか。
★
モーリス産駒が4頭登録 ダノックス所有馬は高額取引馬2頭が登録
今年の
NHKマイルCには、
キャプテンシー(牡、栗東・
松永幹夫厩舎)、
シュトラウス(牡、美浦・
武井亮厩舎)、
ダノンエアズロック(牡、美浦・
堀宣行厩舎)、
ダノンマッキンリー(牡、栗東・
藤原英昭厩舎)と4頭の
モーリス産駒が登録している。
このうち、
ダノンエアズロックは4億5000万円、
ダノンマッキンリーは2億2000万円という高額で2022年セレクトセール(1歳)において(株)ダノックスが落札している(※落札価格はいずれも税抜き)。同馬主の所有馬は、2010年に
ダノンシャンティ、2022年に
ダノンスコーピオンが
NHKマイルCを制しているが、同レース3勝目を挙げることができるだろうか。なお、
ダノンエアズロックは
弥生賞ディープインパクト記念7着、
ダノンマッキンリーはファルコンS1着以来の出走となる。
★
キャプテンシー&
シュトラウス 母に続いて芝1600メートル戦でGⅠ制覇なるか
ジュニアC勝ち馬
キャプテンシー(牡、栗東・
松永幹夫厩舎)、東スポ杯2歳S勝ち馬
シュトラウス(牡、美浦・
武井亮厩舎)には、母子2代のJRA・GⅠ制覇がかかっている。
キャプテンシーの母は2017年の
ヴィクトリアマイルを制した
アドマイヤリード、
シュトラウスの母は2008年の
マイルCSを制した
ブルーメンブラットで、どちらも芝1600メートル戦のGⅠを勝っている。
キャプテンシーは前走の
ニュージーランドTで最下位の16着、
シュトラウスは前走のファルコンSで9着に敗れているが、
NHKマイルCで巻き返すことができるだろうか。なお、
シュトラウスの馬主・(有)キャロットファームは、
NHKマイルCを勝てばJRA3歳限定GⅠ完全制覇となる(※同馬主の所有馬は
アルセナール(牝、美浦・
木村哲也厩舎)も登録している)。
★豊富なキャリアを誇るアレンジャー 2戦2勝
ゴンバデカーブースも登録
アレンジャー(牡、栗東・
昆貢厩舎)は、通算9戦1勝という成績で、前走の
アーリントンCでは2着に入っている。
NHKマイルCにおける最多キャリア優勝記録は2008年
ディープスカイ、2013年
マイネルホウオウの9戦で、
アレンジャーが勝てばこの記録に並ぶが、
アレンジャーは未勝利戦以来の2勝目をGⅠで挙げることができるだろうか。
また、新馬戦(東京)→
サウジアラビアRCを連勝して2戦2勝の
ゴンバデカーブース(牡、美浦・
堀宣行厩舎)は、昨年末の
ホープフルSで出走取消となって以降休養しており、
NHKマイルCが
サウジアラビアRC以来約7力月ぶり(中210日)の出走となる。
ゴンバデカーブースが勝てば、
NHKマイルCの最少キャリア優勝および前走からの最長間隔優勝となるが、3戦無敗で3歳マイル王の座に就くことができるだろうか。
★
福永祐一調教師は
チャンネルトンネルを登録 開業から2力月でGⅠ制覇なるか
3月6日に厩舎を開業した
福永祐一調教師(栗東)は、
NHKマイルCに
アーリントンC3着の
チャンネルトンネル(牡)を登録しており、同レースがJRA・GⅠ初挑戦となる見込みだ。福永調教師は、騎手としてJRA・GⅠ34勝を含むJRA通算2636勝を挙げたが、調教師として初めて臨むJRA・GⅠはどのような結果になるだろうか。Vなら、厩舎開業初年度のJRA・GⅠ制覇はグレード制が導入された1984年以降7人目となり、開業日から「61日」でのJRA・GⅠ初勝利は
森秀行調教師の「69日」を上回るグレード制導入以降の最速記録となる。ちなみに、
福永祐一調教師は騎手としてのJRA・GⅠ初勝利はデビュー4年目、JRA・GⅠ通算25回目の騎乗となった1999年
桜花賞(
プリモディーネ)で挙げている。
また、
チャンネルトンネルは父
グレーターロンドン、母ギャルソンヌという血統で、
グレーターロンドン産駒初のJRA・GⅠ制覇がかかっている。
グレーターロンドンは現役時代GⅠを勝つことはできなかったが、
チャンネルトンネルは父の雪辱を果たすGⅠ勝利となるだろうか。なお、
チャンネルトンネルには
岩田望来騎手が騎乗予定となっている。
★好成績を挙げる東京で巻き返し狙う
ロジリオン ニュージーランドT3着
ユキノロイヤルの戦法は?
ファルコンS5着以来の出走となる
ロジリオン(牡、美浦・
古賀慎明厩舎)は、東京では3戦2勝、2着1回という成績で、1月にはクロッカスSを勝っている。今回、
ロジリオンには4戦ぶりに
戸崎圭太騎手が騎乗する予定だが、好成績を挙げている東京で巻き返すことができるだろうか。Vなら、同馬を管理する
古賀慎明調教師は2010年
オークス(
サンテミリオン)以来約14年ぶり、
ロジリオンの馬主・久米田正明氏は2009年ダービー(
ロジユニヴァース)以来約15年ぶりのJRA・GⅠ制覇となる。
また、
ユキノロイヤル(牡、美浦・
小野次郎厩舎)は、デビューから一貫して芝1600メートル戦に出走を続けており、前走の
ニュージーランドTでは逃げて3着に入った。
ユキノロイヤルは前走に続き
石橋脩騎手が騎乗する予定だが、今回はどのような戦法で挑むだろうか。なお、
NHKマイルCでは、2012年
カレンブラックヒル、2014年
ミッキーアイル、2016年
メジャーエンブレムの3頭が逃げ切り勝ちを収めている。