3月25日の阪神11Rで行われた「第70回
毎日杯」(3歳オープン、GⅢ、芝1800メートル、別定、13頭立て、1着賞金=4000万円)は、
角田大河騎手とコンビを組んだ5番人気
シーズンリッチ(牡、美浦・
久保田貴士厩舎)が中団追走から差し切ってV。昨年3月にデビューした
角田大河騎手はうれしい重賞初制覇となった。タイムは1分46秒6(良)。
1/2馬身差の2着には外から脚を伸ばした
ノッキングポイント(2番人気)で関東馬のワンツー。さらに1/2馬身差の3着には
ドットクルー(6番人気)が入った。
外から
フルメタルボディーが行きかけたが、これを制して内から
セレンディピティがハナを切る展開。
エマヌエーレが3番手で、さらに
フェイト、
シーズンリッチ、
ドットクルーと続いた。人気の
キングズレインは最後方からの競馬で、勝負どころを迎えても手応えは今ひとつ。直線に向いて先行馬が苦しくなると、最後は3頭の争いに持ち込まれる。その中から抜け出したのは
シーズンリッチ。最後まで叩き合いで譲ることなく、初の関西遠征で見事に重賞Vを果たした。外から決め手を発揮した
ノッキングポイントが2着に食い込み、しぶとく脚を伸ばした
ドットクルーが3着。
◆
角田大河騎手(1着
シーズンリッチ)「久保田厩舎に乗せていただくのは初めてですが、こういった馬に乗せていただいてチャンスをつかむことができて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。トップスピードに入るのは速くて、スタミナがあってジリジリといい脚を使い続けてくれることができる子なので、それを生かせました。思い描いた展開で、いい位置を取ることができました。最後は初めての馬群も割ってきましたし、この馬の勝負根性に感謝したいです。いいときに乗せていただきました。この子の将来が楽しみです。(重賞を)まずは無事に勝つことができて良かったです。まだ2年目という立場で、新しく新人も入ってきて、もちろん誰にも負けていられないので、これからも一生懸命精進して頑張っていきたいです」
◆
久保田貴士調教師(同)「いいポジションを取ってくれて、正攻法の競馬でした。角田くんがテン乗りでしたが、非常にしっかりゲートも出してくれたし、本当にうまく乗ってくれました。そこまで切れる馬ではないし、馬場を考えてもある程度前めで競馬はしたいと思っていました。(角田河騎手は)初めてですが、しっかり成績を出していて、一人のプロとして依頼させてもらいました。デビューのときから期待していた馬で、ずっと強いところとぶつけてきました。あえて自己条件にはいかず、それがだんだん生きてきたのかなと思います。ようやくタイトルを取れて良かったです。できればダービー一本でいきたいです。折り合いに不安がないので、距離が延びてまたいいと思います」
毎日杯を勝った
シーズンリッチは、父
ドゥラメンテ、母エバーシャルマン、母の父
ハーツクライという血統。北海道安平町・ノーザンファームの生産馬で、馬主は宇田豊氏。通算成績は5戦2勝。重賞初勝利。
毎日杯は
久保田貴士調教師、
角田大河騎手ともに初勝利。