★3年ぶりに3勝以上馬不在 2歳女王の座を目指し29頭登録
11月28日現在、今年のJRA2歳戦で3勝を挙げている馬は1頭もいないため、今年の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)は2019年以来3年ぶりに3勝以上馬不在の一戦となる。阪神JFが牝馬限定戦となった1991年以降、3勝以上馬不在の年は13回あったが、そのうち1番人気馬の勝利は4回にとどまっており、二けた人気馬の連対が3回ある。また、3勝以上馬不在の年は前走、重賞連対馬が9回連続で連対しており、直近の19年は
ファンタジーS(GⅢ)勝ち馬
レシステンシアが1着となった。今年の阪神JFには
キタウイング(美浦・
小島茂之厩舎)、
ドゥーラ(栗東・
高橋康之厩舎)、
ブトンドール(栗東'
池添学厩舎)、
ラヴェル(栗東・
矢作芳人厩舎)、
リバーラ(美浦・
高柳瑞樹厩舎)の重賞勝ち馬5頭を含む29頭が登録しているが、この世代初のGⅠ馬となるのはどの馬だろうか。
★JRA2歳リーディングサイヤー首位を快走
エピファネイア産駒は4頭が登録
11月28日現在、今年のJRA2歳種牡馬成績を見ると、
エピファネイアが2位の
ハーツクライに約9100万円の差をつけて首位となっている。昨年の
サークルオブライフに続く連覇がかかる
エピファネイア産駒は阪神JFに、東京の新馬戦とコスモス賞を連勝したモリアーナ(美浦・
武藤善則厩舎)、サフラン賞(1勝クラス)を制した
サンティーテソーロ(美浦・
栗田徹厩舎)、11月28日現在で抽選対象となっている
ヴィエンヌ(栗東・
中尾秀正厩舎)、
ルミノメテオール(美浦・
金成貴史厩舎)の4頭が登録しているが、世代最初のJRA・GⅠを制して
エピファネイアは2歳リーディングサイヤー獲得に前進することができるだろうか。
モリアーナに騎乗予定の
武藤雅騎手は、今回が5回目のJRA・GⅠ騎乗となる。武藤騎手はJRA重賞での最高成績が2020年
新潟大賞典(GⅢ)での2着となっているが、重賞初勝利をGⅠの舞台で挙げることができるだろうか。なお、武藤騎手は2017年のデビュー以来、阪神競馬場での騎乗は15回と少なく、2着が最高成績となっている(※11月28日現在)。また、
モリアーナは同騎手の父・武藤師の管理馬で、同調教師には開業20年目でJRA・GⅠ初勝利がかかる。
★2年ぶりに無敗の2歳女王誕生なるか 2戦2勝馬が3頭、1戦1勝馬が5頭登録
阪神JFでは過去10年で5頭が無敗の2歳女王となっている。今年の登録馬を見ると、小倉の新馬戦と
アルテミスS(GⅢ)を連勝した
ラヴェル(栗東・
矢作芳人厩舎)、東京の新馬戦ともみじSを連勝した
ウンブライル(美浦・
木村哲也厩舎)、東京の新馬戦とコスモス賞を連勝した
モリアーナ(美浦・
武藤善則厩舎)の2戦2勝馬3頭と、11月28日現在で抽選対象となっている1戦1勝馬が5頭登録しているが、2020年
ソダシ以来2年ぶりに無敗の2歳女王が誕生するだろうか。なお、
ラヴェル、ウンプライル、
モリアーナはいずれもノーザンファームの生産馬で、ノーザンFの生産馬は
阪神JFで通算11勝を挙げており、07~12年には6連覇、17~20年には4連覇を遂げている。
★収得賞金400万円の馬は抽選対象 出走確率14分の3の狭き門を突破するのは?
今年の
阪神JFには29頭の登録があるが、11月28日現在、収得賞金上位の15頭が出走可能となっており、残る3頭の出走馬は収得賞金が400万円の14頭から抽選で決定される。
阪神JFが牝馬限定戦となった1991年以降では、2006年
ウオッカ、07年
トールポピー、08年
ブエナビスタ、11年ジョワドヴィーヴルの4頭が抽選を突破して出走し、2歳女王の座を射止めたが、出走確率14分の3という狭き門の抽選を突破してGⅠの舞台に立つ馬はどの馬だろうか。
抽選対象の馬の中には、
阪神JFで歴代最多タイの3勝を挙げている
ディープインパクト産駒の
ライトクオンタム(栗東・
武幸四郎厩舎)の名前が見られる。
ディープインパクト産駒は現2歳が最終世代で、日本で血統登録された産駒はわずか6頭だが、その中からJRA・GⅠ勝ち馬が現れるだろうか。なお、
ライトクオンタムは11月12日の新馬戦(東京)を勝ち上がったばかりだが、2011年の
阪神JFでは
ディープインパクト産駒の1戦1勝馬ジョワドヴィーヴルが出走確率15分の6の抽選を突破して出走し、勝利を挙げている。
★新種牡馬産駒が勝てば5年ぶり 今年の新種牡馬産駒5頭はすべて抽選対象
今年の
阪神JFには、
サトノダイヤモンド産駒の
シンリョクカ(美浦・
竹内正洋厩舎)、
ファインニードル産駒の
ダンシングニードル(栗東・
斉藤崇史厩舎)、
レッドファルクス産駒の
ハウピア(栗東・
岡田稲男厩舎)、
サトノクラウン産駒の
メイショウコギク(栗東・
南井克巳厩舎)、
グレーターロンドン産駒の
ユリーシャ(栗東・
中村直也厩舎)と5頭の新種牡馬産駒が登録している。12月5日現在、5頭はいずれも抽選対象となっているが、抽選を突破してGⅠの舞台に立つことができるか。なお、新種牡馬の産駒が
阪神JFを勝てば、2017年の
ラッキーライラック(父
オルフェーヴル)以来5年ぶりとなる。
また、
ユリーシャを管理する中村調教師は今年3月に開業した新人調教師で、開業初年度でのJRA・GⅠ制覇がかかる。牝馬限定戦となった1991年以降の
阪神JFでは、97年の
宮徹調教師、99年の
池添兼雄調教師と開業初年度の調教師が優勝した例も見られるが(※いずれもレース名は「阪神3歳牝馬S」)、中村師が管理する
ユリーシャは抽選を突破して勝利を挙げることができるだろうか。