日替わりで東西の記者が気になる馬を取り上げるGI連載「俺のチェックポイント」。
皐月賞の初日は、大阪の斉藤弘樹記者が栗東で
ヴィクティファルスに注目した。
共同通信杯は2着だったが、前走の
スプリングSが豪快な差し切りで、中山向きの印象。陣営も器用さを高く評価しており、持ち味を存分に生かせそうだ。
桜花賞は白毛馬の
ソダシが無傷の5連勝で女王に輝いた。今週の
皐月賞にも無敗馬2頭がエントリー。なかでも、超ハイレベルな
共同通信杯を快勝した
エフフォーリアに大器の可能性を感じるが、舞台は紛れの生じやすい中山コース。他馬の逆転の可能性を探った。
注目したのは、その
共同通信杯で2馬身半差の2着馬
ヴィクティファルス。中山に舞台を移した前走の
スプリングSでは、中団から直線で大外を回って目の覚めるような豪脚を繰り出し、重賞初制覇。東京の長い直線でやや甘さを見せた2走前と違い、ゴールまですごい勢いで加速していたレースぶりから、直線の短い中山への適性の高さを感じた。
全休日の月曜朝、平野助手を直撃すると「ピッチ走法で、コーナリングも上手。切れる脚を使ってくれますし、(
スプリングSを)使う前からコース適性があると思っていましたが、合いますね」と思惑通りの答えが返ってきた。最大の持ち味は瞬発力。コーナーを4つ回り、器用さが求められるコースへの適性は、メンバー屈指といえそう。
デビュー戦で騎乗していた福永騎手が『ダービーあたりには間に合いそう』と高い能力を感じていた好素材。平野助手は「まだ幼さはありますが、使いつつトモ(後肢)もしっかりしてきましたし、調教でも乗り味が良くなってきました。前回はまだ余裕もありましたし、今回の方が体もしっかりできています」と成長ぶりを伝える。母系はタフな欧州血統で、パワーも十分。開催が進んだ最終週の荒れ馬場もプラスに働くはずだ。
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ヴィクティファルスの馬情報(競馬予想ツール「Deep」より)
大舞台に強い池添騎手の手綱も心強い。2018年
秋華賞(
サラキア4着)、19年
朝日杯FS(
グランレイ3着)に続く、弟の
池添学調教師との兄弟タッグでのGI挑戦。“3度目の正直”でクラシック制覇の偉業もありそうだ。 (斉藤弘樹)
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