2日に行われた札幌5Rの新馬戦(芝2000メートル)は、1番人気の
バニシングポイント(美・藤沢和、牡、父タピット)が7馬身差で圧勝した。マイペースの逃げから、直線で楽々と突き放す大物感あふれる勝ちっぷり。昨年の米国
キーンランド・セプテンバーセールにおいて150万ドルで落札された超良血馬で、夢は大きく広がるばかりだ。
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芦毛の米国産馬が北の大地で強烈なインパクトを見せた。ルメール騎手&藤沢和調教師の黄金タッグで挑んだ
バニシングポイントが、単勝1・8倍の断然人気に応えて7馬身差で圧勝。マイペースの逃げから、軽く仕掛けただけでメンバー最速となる上がり3ハロン35秒8の末脚を繰り出し、後続を突き放した。
ルメール騎手は「ビッグベイビー。道中はよく手前を替えていたし、トモ(後肢)がまだ緩い。物見をしていたけど、3、4コーナーから長い脚で加速して反応してくれました」と若さを指摘しながらも、「能力はありそうです」と素質を評価。課題が残るぶん、伸びしろも十分にあるだろう。
父は米国の名種牡馬タピットで、母は米GI・BCレディスクラシックの勝ち馬アンライヴァルドベル。全姉にもダートGI3勝を挙げた一昨年の全米最優秀古馬牝馬ユニークベラがいる超良血馬で、2019年の米
キーンランド・セプテンバーイヤリングセール(1歳競り)で、150万ドル(約1億6000万円)で落札された。芝で圧巻の走りを披露したが、ダート寄りの血統背景で、デビュー前から米GI・
ケンタッキーダービーを目指すプランもあるほど陣営の期待は大きい。
来年でクラシックのラストイヤーを迎える名伯楽・藤沢和調教師は、これが現2歳世代の管理馬の初勝利。「追い切りでも何回も手前を替えていたし、まだ非力ですね。物見をしたりして若いけど、それでも走りっぷりはいい」と素材の良さに目を細める。
今後はひと息入れて成長を促し、秋の東京開催を見据える。馬名の意味は「究極の到達点」。一体、どこまでたどり着くのか。スター候補のスケールは、計り知れない。
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