新潟の日曜メインは
新潟2歳S(25日、GIII、芝1600メートル)。昨年はのちに
NHKマイルCで2着に食い込む
ケイデンスコールが快勝。長い直線での決め手勝負がレースの傾向だけに、
ハーツクライ産駒の
ウーマンズハート(栗東・
西浦勝一厩舎、牝)にまず注目したい。
今月3日に新潟芝1600メートルで行われた牝馬限定の新馬戦は3番人気の評価だったが、センス良く中団で折り合うと、直線は内にモタれながらも豪快に加速し、2着に0秒6差をつけて快勝した。
特筆すべきは上がりタイムで、自身のラスト3ハロンは実に32秒0。平坦の長い直線で速い上がりが出やすいコース形態とはいえ、2歳8月の段階でこのタイムは出色といえ、末脚の持続力は相当なものがある。今回は牡馬が相手となるが、スムーズに折り合って持ち前の切れ味を発揮できれば、同じ舞台だけに連勝が有望だろう。
美浦の名門、
藤沢和雄厩舎からは
モーベット(牝)がエントリー。6月2日の東京芝1600メートルの牝馬限定新馬戦では7頭立ての最後方を追走しながら、直線は軽く仕掛けられただけであっさりと抜け出した。父は三冠馬
オルフェーヴル、母は
阪神ジュベナイルフィリーズ2着
アイムユアーズと血統的にも早くから活躍できるタイプで、完成度は互角以上。藤沢和厩舎がこのレースに管理馬を送り出すのは2014年2着アヴニールマルシェ以来で、それだけに勝負気配も漂っている。
エレナアヴァンティ(美浦・
宗像義忠厩舎、牝)は6月29日の新馬戦(福島芝1200メートル)、8月3日のダリア賞(新潟芝1400メートル)を連勝しているメンバー中唯一の2勝馬。1ハロンの延長に難なく対応したレースセンスは光るものがあり、実戦を2度経験している馬が有利というこれまでのレース傾向も好走を後押しする。機動力を発揮して、切れ味に優るライバル封じ込めを目指す。
クリアサウンド(栗東・
杉山晴紀厩舎、牝)はデビュー前の調教で栗東坂路4ハロン49秒9の破格のタイムをマーク。7月14日の中京芝1400メートルの新馬戦では重馬場を克服し、後続に3馬身差をつけて勝ち上がった。前向きな気性で1ハロンの距離延長が鍵になるが、父はダービー馬で新種牡馬の
キズナで血統的にはマイルは十分守備範囲。
函館2歳Sを制した
ビアンフェに続き、父の名を高める快走を演じるか。
ペールエール(栗東・
安田隆行厩舎、牡)は7月20日に中京芝1400メートルで新馬勝ち。2着馬とのマッチレースを力でねじ伏せ、3着には6馬身差をつけた。初戦で見せたレース運びのうまさに加え、道悪を克服した精神力の高さも武器。新潟の軽い芝への対応は課題となるが、逆に道悪になるようだと一気に浮上しそうだ。
トライフォーリアル(美浦・
萩原清厩舎、牡)は初年度産駒が好調な新種牡馬
リアルインパクト産駒。6月16日の東京芝1400メートルの新馬戦では道中、ふらつく若さをのぞかせながら、最後はしぶとく伸びて他馬を完封した。スケールの大きさを感じさせるタイプ。初戦が粗削りな走りだったぶん、2戦目のプラスアルファも大きいはずだ。
ウインカーネリアン(美浦・
鹿戸雄一厩舎、牡)は初戦こそ相手が強く2着に敗れたが、前走、6月29日の福島芝1800メートル未勝利戦は好位から早めに進出して力強く押し切った。前々で立ち回り、しまいもひと脚使えるレースぶりは安定感十分。混戦になればしぶとさを発揮しそうだ。
ビッククインバイオ(美浦・
牧光二厩舎、牝)は初戦で
モーベットの切れ味に屈したが、2戦目となった6月22日の東京芝1600メートル未勝利戦では鮮やかな逃げ切り勝ちを決めた。母は
阪神ジュベナイルフィリーズ&
秋華賞2着の
アニメイトバイオで将来性は十分。マイペースの逃げに持ち込めば、ここでも上位を狙える。
グランチェイサー(美浦・
矢野英一厩舎、牡)は6月8日に東京芝1400メートルで新馬勝ち。母キャッスルブラウンは現役時、新潟で全3勝、半兄
ニシノラッシュは
新潟2歳S3着と当地との相性は良く、コース替わりにも対応しそうだ。
タイムマシン(美浦・
手塚貴久厩舎、牡)は2戦目の6月16日の新潟芝1600メートル未勝利戦を上がり3ハロンメンバー最速の33秒8の末脚で差し切った。前走時434キロと小柄なタイプで馬体維持が鍵となるが、舞台への適性は互角以上だ。
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新潟2歳Sの特別登録馬(想定騎手入り)はこちら 調教タイムも掲載