オークストライアルのサンケイスポーツ賞
フローラSの追い切りが17日、東西トレセンで行われた。2月の中山競馬で2勝目を挙げた
ウィクトーリアは、Wコースで戸崎騎手が騎乗して抜群の手応えを披露。体調は万全で、小島調教師からは逃げ宣言が飛び出した。
シンザン記念4着の
パッシングスルーが調教評価で最高の『S』となった。
引っ張りきりの手応えは、抜群の推進力の証しだ。新パートナーの戸崎騎手を背にした
ウィクトーリアが、Wコースの3頭併せの最後方から待ちきれないとばかりにグイグイと前に出る。馬なりでラスト1ハロン12秒7(4ハロン53秒6)をマークし、中
シゲルコハク(未勝利)、外
コンダクトレス(500万下)をそれぞれ2馬身置き去りにした。
「並びかけていく感じ、加速していく感じが良かった。手応えがあるので何もせずにギアが上がっていく。乗りやすく、速い脚もある。期待を持って臨めます」
戸崎騎手が感触の良さに笑みを浮かべる。たった1回の騎乗で、素材の良さを感じ取った。
昨夏の函館で2歳レコード圧勝という華々しいデビュー。その後は
札幌2歳S7着、赤松賞5着と低調なパフォーマンスが続いたが、新馬戦を思い出させるような逃げを打った前走で一変。メンバー2位となる3ハロン34秒6の末脚でまとめて2馬身差のVと、直線でさらに後続を引き離した。
小島調教師は「どんな競馬でもできそうな馬だけど、控える競馬をした2戦がともに駄目だった。だから前走は“ハナに”とお願いしたらあの走り」と明かす。過去に手掛けた馬で似た馬がいたという。それが
クィーンスプマンテだ。
「あの馬も“逃げなくても…”とみんなに言われていたけど、結局逃げでしか勝っていない。何かしら気分のいいところがあるのでしょうね」。絶対逃げてくれ、と指示した2009年
エリザベス女王杯での11番人気Vは衝撃的だった。
「新馬と前走で2回とも強い競馬をしているのに、ハナ以外の選択肢はない。逃げしか勝つシーンがわかない。結果を残すには行くべき」
トレーナーは力強く逃げを宣言。08年
秋華賞馬の母
ブラックエンブレムから受け継いだ良質なスピードを、スタートから出し惜しみなく生かすつもりだ。 (板津雄志)
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