第84回
日本ダービー(
東京優駿)(28日、東京10R、GI、3歳オープン国際(指)、セン馬不可、定量、芝2400メートル、1着本賞金2億円=出走18頭)「藤沢先生ー! おめでとー!」
表彰式に現れた
藤沢和雄調教師に、スタンドのファンから声援が飛ぶ。誰もが待ち望んだ勝利だ。開業30年目で初めての牡馬クラシック制覇を果たすとともに、19頭目の挑戦でダービートレーナーの称号を手にした。
「いつか勝てるかなと思っていたけど、時間がかかりました。おばあちゃん(レディブロンド)も、お母さん(ラドラーダ)もよく知っていて、牧場時代から期待の馬だったので良かったです。感謝しています」
ゆかりの血統での勝利に、藤沢和師も笑みが絶えない。検量室前では多くの関係者から握手攻め。顔をくしゃくしゃにして戴冠を喜んだ。向こう正面でポジションを上げたルメール騎手にも「いいタイミング」と賛辞の言葉を贈った。
皐月賞を叩いての2戦目。全てはダービーを万全の態勢で迎えるためだった。この日のパドックでも、イライラしていた愛馬の姿を見て、引き手を1人から2人に。「オーロラビジョンの前を通過するときに小走りになっていて、助手が“つきますか?”と言うのでオーロラビジョン側につかせました」。厩舎一丸となっての馬優先主義が実を結んだ。
今後については「2400メートルを上手に走ってくれたけど、これ以上の距離は分からない。古馬と一緒や、3歳だけのレースもある。乗り役や馬主さんと相談してやっていきたい」と話すにとどめたが「見ての通り素晴らしい馬。ダービー馬にふさわしいローテーションを、と考えています」。世代の頂点に立った
レイデオロとともに、さらなる飛躍を目指す。 (千葉智春)
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