関東圏では中山開催が終了し、東京開催が始まる。ダービー(5月31日、GI、芝2400メートル)をクライマックスとする10週間のロングラン開催で、開幕週の日曜メーンはサンケイスポーツ賞
フローラS(26日、GII、芝2000メートル)。3着までに優先出走権が与えられるトライアルレースだ。前5年で3連単の配当が100万円を超える大波乱が2度も起こっているように、馬券的にも妙味たっぷり。大舞台への切符をかけたし烈な戦いが繰り広げられる。
主役候補は東京で未勝利、赤松賞と2戦2勝の
ディアマイダーリン(美浦・
菊沢隆徳厩舎)。全5戦中3戦でメンバー最速の上がりを記録している“切れ者”だ。休み明けだった前走の
フラワーCは中間に一頓挫あり、太め残りでの出走ながら3着と好走。順調に調整されて上積みが見込める今回は、重賞初制覇のチャンスだ。血統的にも父
ハーツクライ、母の父がキングマンボなら、成長力と底力は太鼓判が押せる。本番に向けて、権利獲得だけでなくはずみをつけて臨みたいところだ。
君子蘭賞を勝って挑む
シングウィズジョイ(栗東・
友道康夫厩舎)はキャリア7戦と経験豊富。牝馬限定の重賞で僅差の競馬を2度している他は全て牡馬と戦ってきた。タフな争いになれば激戦をくぐり抜けてきた強みが生きるはずだ。JRAに移籍してからの7年でこのレースを3勝している
内田博幸騎手の手綱も心強い。
リアンドジュエリー(美浦・
奥村武厩舎)は良化途上の状態でスローペースのミモザ賞を差し切り勝ち。今回は状態面の上積みが見込める。息の長い末脚が持ち味で、開業2年目の
奥村武厩舎は重賞初Vがかかる一戦だ。
白菊賞を勝ち、
チューリップ賞5着の
アスカビレン(栗東・
中尾秀正厩舎)は、
皐月賞に産駒が3頭出走するなど産駒の活躍が目立つ
ブラックタイドを父に持つ。派手さはないが末脚は堅実。デリケートな面あるだけに、初の長距離輸送が鍵となる。オーナーの神田紘爾さんは、歌手の小椋桂さんの本名。愛馬
キタサンブラックが
皐月賞3着に好走した北島三郎さんに負けじと、フォーク界の大物も重賞Vを狙う。
エバーシャルマン(美浦・
堀宣行厩舎)は未勝利を勝ったばかりだが、鋭い末脚が武器で能力、素質は引けを取らない。堀厩舎は
ダービー卿チャレンジT(
モーリス)、サンケイスポーツ杯
阪神牝馬S(
カフェブリリアント)、
皐月賞(
ドゥラメンテ)と歴代1位タイの3週連続重賞制覇を遂げている。もっか全国リーディングに立っている厩舎の充実ぶりを考えると、
阪神牝馬Sに続く東西サンスポ冠レースの“完全制覇”もありそうだ。
同じく、前走の未勝利を勝って挑む
ゴージャスガール(美浦・
大竹正博厩舎)は使いつつ着実に良化してきた。2走前にアタマ差の接戦で先着を許した
ミュゼゴーストは先週の山藤賞を制しており、重賞やオープンの勝ち馬がいないここなら十分勝負になる計算が成り立つ。祖母は2歳女王の
ピースオブワールドという血統も魅力だ。
末脚堅実で名手・
武豊が手綱を取る
マキシマムドパリ(栗東・
松元茂樹厩舎)、アネモネS3着の
アドマイヤピンク(美浦・
戸田博文厩舎)、エルフィンSで2着に好走している
ナガラフラワー(栗東・
高橋亮厩舎)、未勝利の勝ちの内容が目を引いた
バンゴール(美浦・
尾関知人)なども争覇圏内。上位3頭に与えられる
オークスの切符をめぐって、激しいレースが期待できそうだ。
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