日本ダービーの追い切りが23日、東西トレセンで行われた。美浦では3戦3勝の
ブラストワンピースが重厚感のあるフットワークで体調の良さをアピール。
皐月賞3着の
ジェネラーレウーノが調教評価『S』となった。
皐月賞馬
エポカドーロは栗東CWコースで控えめな内容だった。
無敗の戴冠へ、大事なピースがピタリとはまった。
毎日杯(1着)以来2カ月ぶりの実戦が最高の舞台となる
ブラストワンピースが、貫禄の1馬身先着を果たした。
穏やかな空気に独特の緊張感が入り交じる美浦トレセン。池添騎手を背にWコースで
カルヴァリオ(1600万下)を2馬身追いかけた。内に潜り込んだ直線はスパッとはじける場面こそなかったが、闘争心を呼び覚ます鞍上のアクションに呼応し、5ハロン66秒8、3ハロン36秒3-12秒5をマーク。重厚感あふれるフットワークで力強く抜け出した。
「抜け出して気を抜かせないよう強めに追った。先週より体も引き締まり、フォームも息遣いも良くなった。レース当日には、今の段階でのピークに持っていける」
手綱越しに伝わる迫力に、顔を紅潮させて引き揚げてきた主戦の声が弾む。1998年のデビュー以来、初めて美浦で迎えるダービーウイーク。緊張感を心地よい刺激に変えられるのも7年前、
オルフェーヴルで頂点をつかんだ経験があるからだ。「一度勝たせてもらっているぶん、勝ったことのないジョッキーよりはいいと思う。すみません、生意気で(笑)」。記者会見で放った強気のリップサービスも、自然体の表れといえるだろう。
「迫力のあるいい動きだった。攻めの姿勢を貫きつつ、状態面のケアもしっかりやれた。今回は精神面で特に成長してくれたと実感しています」
見届けた動きに納得の表情を浮かべた大竹調教師は、開業10年目でダービー初挑戦。「出すことの難しさを10年間で痛感させられた」という夢舞台へ、背腰に疲れが残りやすい体質を考慮して、新馬戦、ゆりかもめ賞、
毎日杯とレース数を絞った省エネローテで愛馬を導いた。追い切り後にゲート練習を行うなど細心の注意を払って迎える本番。課題だった太め脱出にもめどが立った。
「火曜日の計量で541キロ。前走(522キロ)より増えているけど、前走は阪神への輸送で10キロほど減っての数字。今日もしっかりやれたので、何とか同じくらいに持っていけるかと思います」
最大の惑星から堂々の主役へ、底知れぬ大器が頂点へジワリと接近した。 (内海裕介)
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