最終週の京都では土曜メインに
京都2歳S(25日、GIII、芝2000メートル)が組まれている。2014年にオープン特別から重賞に格上げされ、同年の3着馬
シュヴァルグランは重賞2勝、天皇賞・春で2着に好走。26日の
ジャパンCでも有力候補の一頭になっている。オープン特別時代の勝ち馬にも、古くは1969年タニノムーティエ(
皐月賞、ダービー)、93年
ナリタブライアン(3冠、
有馬記念、朝日杯3歳S)がおり、00年以降でも01年
アドマイヤドン(
朝日杯FSのほか、
フェブラリーSなどダートGI・6勝)、02年
エイシンチャンプ(
朝日杯FS)、09年
ヴィクトワールピサ(
皐月賞、
有馬記念、ドバイワールドC)、12年
エピファネイア(
菊花賞、
ジャパンC)、13年
トーセンスターダム(豪州移籍後GI・2勝)と一流馬が
ズラリ。負けた馬からも02年2着
ザッツザプレンティ(
菊花賞)、04年2着
ヴァーミリアン(ダートGI・9勝)、08年3着
アンライバルド(
皐月賞)と活躍馬が出ている。同じ2000メートルの距離で今年、
ホープフルSがGIに昇格したことからも、目が離せない。
実績で一枚上をいくのが
タイムフライヤー(栗東・
松田国英厩舎、牡)。新馬戦は僅差2着に敗れたが、勝ち馬
ロックディスタウンが次走で
札幌2歳Sを快勝、3、5、6着馬がその後に勝ち上がりと、メンバーのレベルは高かった。続く未勝利-萩Sともに上がり3ハロン最速の末脚を駆使して連勝。決め手の鋭さは相当だ。重馬場の前走で道悪適性を示しているのも強み。新潟、阪神、京都の3戦全て外回りコースの1800メートルだけに、距離延長と内回りに替わるのが鍵だが、レースぶりから軽々と不安を払いのけても不思議はない。
マイハートビート(栗東・
高橋義忠厩舎、牡)は札幌芝2000メートルの未勝利戦、今回と同じ京都芝2000メートルの紫菊賞を連勝。こちらも2戦ともに上がりはメンバー最速の切れ者で、距離適性の高さを示しているのは心強い。
京都新聞杯勝ち、ダービー2着の
サトノラーゼンの半弟という血統背景からも2000メートル以上に向き、大舞台に向けて楽しみな素材。ゲートの出が悪い点が気掛かりだが、よほど大きな不利がなければここも好勝負になるだろう。
ケイティクレバー(栗東・
目野哲也厩舎、牡)は、阪神芝2000メートルの新馬、未勝利では勝ち上がれなかった。しかし、今回と同舞台では、デビュー3戦目を4馬身差で圧勝。続く黄菊賞も僅差2着と適性の高さを示した。ハービンジャー産駒は15年の当レースで
ドレッドノータスが優勝。さらに今秋の京都GIで
秋華賞(
ディアドラ)、
エリザベス女王杯(
モズカッチャン)、
マイルチャンピオンシップ(
ペルシアンナイト)を制しており、同産駒にとっては絶好の馬場状態という印象だ。デビューからの4戦全て手綱を取っている
小林徹弥騎手にとっては、08年
東海S(
ヤマトマリオン)以来となるJRA重賞6勝目の期待がかかる。
シスターフラッグ(栗東・
西村真幸厩舎、牝)は函館で新馬勝ちすると、続く
札幌2歳Sも0秒3差4着と善戦。前走の
アルテミスSは12着に敗れたが、マイルに距離が短縮されたことで脚がたまらなかった印象だ。叔父に
ゴールドシップがいる母系からも距離は長い方が良く、上がりもかかった方がいいタイプ。叔父の
ゴールドフラッグも先週の京都芝2000メートルの2歳未勝利戦を勝ち上がったように、今の京都の馬場は向きそうだ。
西村真幸厩舎は
スラッシュメタル(牡)も送り出す。同舞台の新馬戦を快勝。スムーズに折り合い、上々のレースセンスを見せた。伯父にダービー馬
ロジユニヴァースがいるなど、母系の質も確か。絶好調のミルコ・デムーロ騎手の手綱も頼もしい。
グレイル(栗東・
野中賢二厩舎、牡)も、同舞台で新馬勝ち。
菊花賞当日の極悪馬場で、強靱な精神力を示した。今年の
ダービー卿チャレンジTを制した半兄
ロジチャリスは2歳時から芙蓉S2着、アイビーS3着とオープンで能力の高さを示していただけに、キャリア1戦でも侮れない。そのほか、先行力が魅力の
アイトーン(栗東・
五十嵐忠男厩舎、牡)、2000メートルへの距離延長で巻き返しを期す
ランリーナ(美浦・
竹内正洋厩舎、牝)などにも注目したい。
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