今週の新潟競馬のメインは
新潟2歳ステークス(28日、GIII、芝・外1600メートル)。来年のクラシック戦線を占う意味でも重要な一戦だ。新種牡馬の
ルーラーシップを父に持つ
イブキは東京で行われた新馬戦を快勝。確かな能力を示した。前走後の上積みは大きく、混戦ムードが漂う2歳重賞の主役に躍り出る。
筋肉質で馬っぷりのよさは父親譲り。新種牡馬
ルーラーシップ産駒の
イブキが、
新潟2歳Sを制して、来春のクラシック戦線へ名乗りをあげる。
全休日明けの23日はWコースをキャンターで1周。翌日の追い切りに備えた。
「前走後は放牧に出て8月6日に美浦へ帰厩。普段から余計なことをしないし、馬場に出ても夢中になりすぎない。1度使って体がしっかりとしてきた」と寺島助手は成長を実感する。
6月12日のデビュー戦(東京、芝1800メートル)は2~3番手につけると、直線で危なげなく抜け出した。派手さはなくとも、センスや勝負根性を十分に感じさせた。
父
ルーラーシップは女傑
エアグルーヴを母に持ち、2012年の香港GIクイーンエリザベス2世Cなどに優勝。今年から産駒をデビューさせたが、JRAでは
イブキを含め、
キングズラッシュ、
ダンビュライト、
マテラレックス、
レジェンドセラーの5頭が早くも勝ち上がった。
オルフェーヴルや
ジェンティルドンナと好勝負を演じた能力は子供にも伝わっている。
奥村武調教師は「(
ルーラーシップ産駒は)馬っぷりがよくてバランスもいい。
イブキも身のこなしが柔らかく(将来的にも)楽しみです」と父の良さを受け継いだ管理馬に大きな期待を寄せる。
イブキは先週までにWコースで3本の追い切りを消化。ひと追いごとに良化しており、臨戦態勢の不安はない。「しっかり乗り込んできたので、体重は少し減っていても大丈夫。距離も新潟の外回りならマイルでも問題ない。いいものを持っているのでここでも」と寺島助手は力を込める。
追ってからしぶとく、いい脚を長く使うので新潟の外回りコース(直線658・7メートル)は望むところ。
イブキが夏の新潟で父の名をさらに高める。(片岡良典)
ルーラーシップ 父
キングカメハメハ、母
エアグルーヴ、母の父トニービン。鹿毛の牡9歳。現役時代は栗東・
角居勝彦厩舎に所属し、通算20戦8勝(うち海外2戦1勝)。獲得賞金5億4976万4000円。重賞は2010年GIII
鳴尾記念、11年GII
日経新春杯、GII
金鯱賞、12年GIIアメリカジョッキークラブC、香港GIクイーンエリザベス2世Cの5勝。13年から北海道の社台スタリオンステーションで種牡馬入りして、2歳世代が初年度産駒。今年の種付け料は昨年より50万円アップの300万円(受胎確認後)。子出しの良さと父譲りの馬体の雄大さで人気となり、4年連続で200頭以上に種付けしている。